第十五回記念官休会全国大会愛知大会

IMG_0556 平成20年10月11日、12日の二日間にわたり、第十五回記念官休会全国大会愛知大会が名古屋市内で開催され、両日で述べ千六百名が参加、盛会となりました
 大会初日は、ウェスティンナゴヤキャッスル(西区)において前夜祭が行われました。午後二時より受付が開始、開会前に設けられた呈茶席(天守の間)で、来場者は金の鯱が輝く名古屋城大天守の眺めとともに、まず一服を喫茶されました。
午後六時、安藤重良大会副会長による開会の辞で幕開けした記念式典では、加藤千麿大会会長が歓迎の挨拶を、来賓として稲垣隆司愛知県副知事、松原武久名古屋市長が祝辞を述べられ、会場の熱気が高まる中、不徹斎宗匠は「尾張の地と流儀との関わりは古く文叔、真伯の時代まで遡る」と語って、今後の発展に期待の言葉を寄せられました。続いて加藤大会会長をはじめ今大会の功労者に表彰状が贈られ、大会実行委員会の職分を代表して伊藤妙宣正教授(家元直門官清会会員)が、大会当日までを振り返り万感胸に迫った答礼をされました。
名古屋フィルハーモニー交響楽団「シフォン弦楽四重奏団」の演奏後、午後七時からは山田守廣大阪官休会会長による乾杯で親睦会に進行。各地区官休会代表が紹介され、全国から参集された流友、社中の間では名古屋コーチンや八丁味噌など愛知名産が盛り沢山な料理に舌鼓を打ちつつ、和やかに交流が深められました。宴の中盤には「音楽とアートのコラボレーション」として、ピアノ伴奏のデュオによる「煌めきの未来へ」(交響詩・名古屋城より)の歌に合わせ、県下在住のアーティスト城戸わこ氏が縦五メートル・横十メートルの布に不徹斎宗匠ご夫妻の姿を豪快に描くパフォーマンスを披露、会場の耳目を惹きました。最後に恒例の大会引継式では、加藤愛知大会会長から小西守文奈良大会代表へ繋ぎの柄杓が手渡され、後藤安邦大会副会長の閉会の辞をもって前夜祭はお開きとなりました。
翌大会二日目には献茶式と記念茶会が行われました。献茶式は熱田大神をご祭神、三種の神器の一つ草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)をご神体とする由緒ある熱田神宮(熱田区)の祈祷殿長床において午前十時より厳粛に執り行われ、不徹斎宗匠が濃茶、薄茶の二碗を神前に捧げられました。また同神宮境内の龍影閣(りょうえいかく)(登録文化財)で愛知官休会が拝服席を担当し、参会者をもてなしました。
記念茶会は四千坪の敷地を誇り、昭和天皇の宿泊所もあることで知られる老舗料亭八勝館(昭和区)で催され、濃茶席(残月の間・御幸の間)、薄茶席(菊の間)、点心席(大広間)が設けられました。関戸松下軒が席主をつとめた濃茶席では中興名物の茶入や茶杓など名品を揃えた道具組、愛知官休会が席主の薄茶席では流儀歴代の手造や好みを中心とした取り合わせで、新しく不徹斎宗匠が好まれた御茶や地元が最大生産地として有名な無花果(いちじく)を用いた菓子、八勝館の彩り鮮やかな点心など各席で趣向が凝らされ、参会者は絢爛な秋の一日を堪能されました。
ほかに大会内容には徳川美術館(東区)における「室町将軍家の至宝を探る」展の拝観も含まれ、約六百五十名という大入りで、大会開催に合わせて特別展示された利休作茶杓「泪(なみだ)」をはじめ貴重な宝物を、参会者は熱心に拝見された様子でした。
今大会では各会場間が比較的離れていたこともあり、一日で回るために早朝より受付に並ぶ参会者の姿も見られましたが、晴天にも恵まれ、午後四時頃に全日程が滞りなく終了しました。
(流儀季刊誌 起風 より)

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