11月15日熱田神宮の蓬庵で月釜の濃茶席を担当させていただきました。
前日から続いた雨模様に気を揉んでいましたが昼前には晴れ、
賑わいをみせる七五三詣に負けないほどのたくさんの方にお越し頂きました。
雨後の木々に神宮の清浄な空気を感じつつ皆様に席を楽しんで頂こうと社中一同心を込めてお茶を練りました。
次回の熱田神宮月釜は平成29年1月15日(日)に蓬庵(濃茶席)を担当します。
(K.N. 記)
毎月十五日に熱田神宮にて開かれる月釜を愛知名宣会が二月に担当しました。当日は前日から降り続いた大雪の影響により客足を案じましたが、我々の杞憂をよそに大勢の方々にお越しいただき盛況な茶会となりました。名宣会としましても平日はなかなか参加の難しい男性社中が大勢参加することができ、普段とは少し趣の異なる中お客様をお迎えすることができました。また私にとっても熱田神宮での茶会は十余年前まだ学生だった頃に初めて経験した茶会でありまして今回のようにまた参加できることをとても感慨深く思いました。
今回名宣会が担当したのは又兵衛と呼ばれる合掌造の原型であり、田舎家の佇まいを現在に伝える田舎家での薄茶席です。甲午の年、初午の月ということもあり寄付には不徹斎宗匠が九頭の馬を描かれた扇面「華山陽」、花入れに直斎作無輪竹二重切「荒馬」など「馬」をテーマにした数々の道具を取り合わせました。席中の道具に配された馬の数合わせをするなどお越しになったお客様も楽しまれていたようです。
天候の回復した午後にはお客様の勢いはさらに一段と増し、水屋に入った社中一同は大車輪の活躍を求められました。こんな時はふと気付くとお客様の事ではなく自分の事であったり道具の事が第一になってしまいがちですが、お客様にできるだけ良い一服を差し上げられるように皆で心を一つにするよう努力しました。皆の真剣さが続くなかお客様の足は最後まで途切れず結局時間を大幅に延長するという大賑わいで月釜を終える事が出来ました。
終わってみれば「まだまだ」と感じるのが常ですがそれが「道」であると思います。
今回参加した男性社中の中には水屋の経験が初めてで、お客様をお迎えすることに亭主が如何に気を使っているかを知り、改めて茶道の奥深さを知ることができた。これからもっと学んでいきたいとの感想を語る方も多くいました。
そのような基本を忘れぬよう社中一同今まで以上に精進し愛知名宣会、ひいては武者小路千家を盛り上げていきたいと思う所存であります。
(K.N. 記)
会記
寄付
床 不徹斎筆 扇面 華山陽
本席
床 有隣斎筆 萬年松在祝融峯
花入 無輪竹二重切 直斎 銘 荒馬
花 加賀八朔 万作 蕗の薹
香合 馬 理平造
釜 丸 不徹斎箱
水指 唐物七宝
棚 自在棚 一啜斎好
茶器 松の絵 愈好斎好 漆仙造
茶碗 赤 弘入造
替 童の絵 即全造
替 馬の絵 真葛造
茶杓 不徹斎 銘 薄紅梅
蓋置 竹 不徹斎
建水 唐銅 与兵衛造
菓子 雪間草 きよめ餅製
器 若菜桶 不徹斎箱
莨盆 蓬雪好 瓢透 愈好斎箱
火入 椿の絵 半七造
莨入 コマ
煙管 一指斎好 唐草 一可造
以上
平成25年10月11日、不徹斎宗匠ご奉仕により、式年遷宮(せんぐう)の献茶式が伊勢神宮において執り行なわれました。
伊勢神宮は正式名称を「神宮」といい、皇祖神・天照大御神を祀る皇大神宮(内宮)と衣食住の守り神豊受(とようけ)大御神を祀る豊受大神宮(外宮)の二つの正
神宮式年遷宮とは、神宮の永遠性を実現する営みとして、二十年に一度正殿(しょうでん)を始めとした御垣内(みかきうち)の建物、殿内の御装束、神宝に至るまですべてを新しくし、神儀(御神体)を遷す儀式。内宮では
午前十一時より開始された献茶式では、不徹斎宗匠、宗屋若宗匠らが内宮神楽殿に入殿、倭舞や神職による祝詞奏上の後、不徹斎宗匠が濃茶と薄茶の二碗を点てられ
拝服席は神宮内茶室内に設けられ、名古屋の伊藤妙宣先生が担当、多くの参会者がお茶を楽しみました。
当日は前日に引き続き雨天が案じられましたが一転して快晴、真夏日を思わせるような陽気のなか、水分をたっぷり含んだ境内の木々の緑が一層映え、晴れやかな一
(流儀季刊誌 起風 より)
平生は静寂に包まれている熱田の杜は早朝から賑わいを見せていた。創祀千九百年大祭が執り行われるのである。
御神体は草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)。もと、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と言い、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が出雲の国で八岐大蛇(やまたのお
日本武尊の没後、妃の宮簀媛命(みやすひめのみこと)がこの神剣を熱田の地に祀られたのが一一三年であり、今年が創祀千九百年にあたる。これを祝し、五月七日
五月八日は又兵衛において武者小路千家が席を担当した。平日のため来られない者も多く、慣れないNHK文化センターで学ぶ者も水屋に入ることができ、客を迎え
十月には伊勢のご奉仕の命も賜り、緊張と気の抜けない日々が続くが、今後もより一層精進したい気持ちでいっぱいである。
(武藤 篤志 記)